いつも独りだったから  いつも本を読んでいた  僕が読む本は 決まってファンタジー  物語の主人公が大活躍する  そんなお話ばかりだ  ずっと独りでいいと思ってた  ずっと本を読んでいられるから  けれど どこかで望んでいたんだと思う  物語の主人公を僕に当てはめて  誰にでも好かれるカッコイイヒーローに  なりたかったんだと思う  いつも独りだったから  いつも誰かを求めてた  ある日見つけた知らない扉  中へ入ると本が落ちていた  作者もタイトルも書いていない  空っぽな不思議な本  開けてはいけない扉だったのかもしれない  開けてはいけない本だったのかもしれない  でもドキドキしてた  ここから何かが変わる気がしてた  脇役だっていい  この物語に参加したかった  いつも独りだったけど  ずっと独りでよかったけど  独りだなんて思いたくなかったんだ *****************************************